━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ├─ TAU Software ORIGINAL GAMES #02 ────────────┤ 『もう一度逢おうね』 1995 TAU Software ├─────────────────────── for X680x0 ─┤ <<USER’S MANUAL(データの差し換え等!!)>> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (※ ゲームの遊び方については、    もう一つのマニュアル「MOI_MAN0.DOC」を、ご覧下さい) 船橋 真理(以下、マリ)「どうしたの?TAU」 市川 学(以下、学)「そうだよ。急に、呼び出しなんかして」 作者、TAU(以下、T)「いやあ、ごめんごめん。ちょっとね、普通 の文章書くの、疲れちゃったもんで」 学「理由、それだけ?」 T「それだけ」 学「俺たちとの座談形式の方が、分かりやすいからとかじゃなくてか」 T「じゃない」 マリ「・・・、市川君、押さえて」 学「・・・、で、何やるんだ?」 T「あ。えっと、これ↓」 ━ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   0.はじめに   1.環境の設定   2.データ差し換えの手順 2−A.データファイル作成の準備 2−B.データファイルの作成 2−C.BGM用ファイルの準備 2−D.環境ファイルの作成 2−E.ゲームの起動   3.再コンパイル及び、改造について   4.おわりに ━ 0.はじめに ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ T「と、いうことで、ゲームの内容は、分かってくれたかな」 マリ「分かったわ。要は、二人を会わせてあげればいいのね」 T「うん。それでね。実はこのゲーム、データ差し換えが可能なんだ」 学「この、男の子と女の子のスプライトデータの事か?」 T「そう。あと、このプレートとか、マウスカーソルとか、文字も変え られるし、BGMの変更も可能だ」 マリ「結構、変えられるのね」 学「で、これから、その方法を解説していく、というわけか」 T「ちょっと、面倒くさいけど、どんどんデータを差し換えて、自分流 の、『もう一度逢おうね』を作ってみて下さいね」 ━ 1.環境ファイルの設定 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ T「このゲームは、環境ファイルによって、ゲームの設定を変えること が出来るんだ」 マリ「環境ファイル?」 T「そう。起動の時、コマンドラインからこう打つよね」 MOI_MAIN.X MOI_DFLT.CNF<リターンキー> マリ「うん。それで?」 T「それで、2番目の「MOI_DFLT.CNF」っていうのが環境ファイルの指定 なんだ。ここに書いた名前のファイルが、環境ファイルになるんだ」 学「なあ、2番目を書かない場合はどうなるんだ?」 T「MOI_MAIN.X<リターンキー> だけの時は、初期値(デフォルト)の環境で起動する」 学「特に、環境ファイルはいらないんだ」 T「あと、環境ファイルがあっても、書かれていない項目があると、それ は、初期値となる」 マリ「それは分かったけど、これがデータ差し換えと何か関係あるの?」 T「それは、後で解説するとして、まずは、環境ファイルの書き方を説 明しよう」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ * もう一度逢おうね config. file CHARA_DAT = MOI_CHR.DAT PLATE_DAT = MOI_PLT.DAT BGLET_DAT = MOI_BGL.DAT MSCUR_DAT = MOI_MSC.DAT BGLET_PAL = MOI_BGL.PAL CURS_PAL1 = 31,31, 0 * FFC0H CURS_PAL2 = 24,24, 0 * C600H RANK_PAL1 = 8, 8, 8 * 4210H RANK_PAL2 = 28,28,28 * E738H FRAME_PAL = 14(21,21,21) * AD6AH MOVE_PLAT = 16 CHR_SPEED = 20,10 CHR_ADJST = 0,-8 MSC_ADJST = 0,0 TITLE_MUS = AOUNE.ZMD GAMES_MUS = AERUYO.ZMD HAPPY_MUS = AETANE.ZMD ━━━━━━━━━━━━━━━━━【リスト1:環境ファイルの例】 T「こういうふうに、設定項目と、設定値を半角の"="で結んだものの 集まりが、環境ファイルだ」 学「ED.Xとかのエディタで、普通に書けばいいんだよな」 T「そう。あ、ただし、"=" の前後には、必ず空白を入れてね」 マリ「最初の、"*"から始まっているのはどういう意味?」 T「"*" があると、その行の、それより後のものを無視しちゃうんだ。 つまり、コメント用さ。CURS_PAL1の後ろの、"*" 以降も同じだよ」 学「もちろん、何も無い行も、無視されるんだよな」 T「あと、書式にあわない行も、無視されちゃうんだ。と、いうことで、 それぞれの設定項目と、設定値の書式を説明しよう」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ※ 以下、設定値において、filenameは文字列、それ以外は、10進  の数字を設定します。 * 索 引   BGLET_DAT ・・・ 3 CURS_PAL2 ・・・ 7  MSCUR_DAT ・・・ 4   BGLET_PAL ・・・ 5 FRAME_PAL ・・・ 10  PLATE_DAT ・・・ 2   CHARA_DAT ・・・ 1 GAMES_MUS ・・・ 16  RANK_PAL1 ・・・ 8   CHR_ADJST ・・・ 13 HAPPY_MUS ・・・ 17  RANK_PAL2 ・・・ 9   CHR_SPEED ・・・ 12 MOVE_PLAT ・・・ 11  TITLE_MUS ・・・ 15   CURS_PAL1 ・・・ 6 MSC_ADJST ・・・ 14 − 1.CHARA_DAT 書 式:CHARA_DAT = filename 機 能:キャラクタデータファイルにfilenameで指定したものを使用    します。 初期値:MOI_CHR.DAT 注 意:(*1) − 2.PLATE_DAT 書 式:PLATE_DAT = filename 機 能:プレートデータファイルにfilenameで指定したものを使用し    ます。 初期値:MOI_PLT.DAT 注 意:(*1) − 3.BGLET_DAT 書 式:BGLET_DAT = filename 機 能:BG用文字データファイルにfilenameで指定したものを使用    します。 初期値:MOI_BGL.DAT 注 意:(*1) − 4.MSCUR_DAT 書 式:MSCUR_DAT = filename 機 能:マウスカーソルのデータファイルにfilenameで使用したもの    を使用します。 初期値:特にありません。プログラム本体の内部データを使用します。 注 意:(*1) − 5.BGLET_PAL 書 式:BGLET_PAL = filename 機 能:BG用文字のパレットデータファイルにfilenameで指定した    ものを使用します。 初期値:特にありません。プログラム本体の内部データを使用します。 注 意:(*1) − 6.CURS_PAL1 書 式:CURS_PAL1 = red,green,blue 機 能:ゲーム中、動かせるプレートを囲む枠の、ボタンを押してい    る時の色を設定します。RGBの各要素を設定して下さい。 初期値:31,31, 0(カラーコード:FFC0H) 注 意:(*2) − 7.CURS_PAL2 書 式:CURS_PAL2 = red,green,blue 機 能:ゲーム中、動かせるプレートを囲む枠の、ボタンを押してい    ない時の色を設定します。RGBの各要素を設定して下さい。 初期値:24,24, 0(カラーコード:C600H) 注 意:(*2) − 8.RANK_PAL1 書 式:RANK_PAL1 = red,green,blue 機 能:ランク表示のバックの色を設定します。RGBの各要素を設    定して下さい。 初期値: 8, 8, 8(カラーコード:4210H) 注 意:(*2) − 9.RANK_PAL2 書 式:RANK_PAL2 = red,green,blue 機 能:ランク表示の枠の色を設定します。RGBの各要素を設定し    て下さい。 初期値:28,28,28(カラーコード:E738H) 注 意:(*2) −10.FRAME_PAL 書 式:FRAME_PAL = palet_num[(red,green,blue)]                       ([]内は、省略可) 機 能:プレートを動かせるフィールドの端を示す枠の色を設定しま    す。palet_numには、パレットコード(0-15) を指定します。こ    のパレットコードは、PLATE_DAT で指定したものの、パレット    データに対応します。もし、パレットの色を変えたい場合は、    その後に、RGBの各要素を()で囲んで設定します。 初期値:14(21,21,21)(カラーコード:AD6AH) 注 意:パレットコードが異常な場合、初期値を使用します。 (*2)も参照して下さい。 −11.MOVE_PLAT 書 式:MOVE_PLAT = mpl 機 能:プレートをスライドする時、ボタンを押してから、mpl ドッ    ト以上ドラッグすれば、プレートが移動するようにします。    ただし、0≦mpl≦64です。 初期値:16 注 意:mplが0未満の時は、mpl=0、64を越える時は、mpl=64と、同    等になります。 −12.CHR_SPEED 書 式:CHR_SPEED = low_sd,high_sd 機 能:ゲーム中の、キャラクタのスピードを設定します。low_sdに    は、低速時の、high_sd には、高速時のスピードを設定します。    スピード値は、100分の何秒に1回キャラクタを動かすかを    記述します。 初期値:20,10 注 意:","も含めて、各スピード値は省略出来ません。 −13.CHR_ADJST 書 式:CHR_ADJST = ax,ay 機 能:キャラクタの表示位置の微調整を行います。ax、ayにそれぞ    れ平行移動するだけのドット数を記述します。マイナス値も設    定可能です。0,0 の時は、キャラクタの中心が、道の中央にな    るように設定されます。 初期値:0,-8 注 意:","も含めて、各座標値は省略出来ません。 −14.MSC_ADJST 書 式:MSC_ADJST = ax,ay 機 能:マウスカーソルが、指し示す位置を設定します。ax、ayにそ    れぞれ、カーソルの左上からの相対座標を記述します。0,0 の    時は、カーソルの左上が、指し示している位置となります。 初期値:0,0 注 意:","も含めて、各座標値は省略出来ません。 −15.TITLE_MUS 書 式:TITLE_MUS = filename 機 能:ゲーム開始前のBGMを、設定します。filenameには、ZMUSIC    のZMDファイルを指定して下さい。 初期値:特にありません。ゲーム開始前のBGMの演奏は行いません。 注 意:(*3) −16.GAMES_MUS 書 式:GAMES_MUS = filename 機 能:ゲーム中のBGMを、設定します。filenameには、ZMUSICの    ZMDファイルを指定して下さい。 初期値:特にありません。ゲーム中のBGMの演奏は行いません。 注 意:(*3) −17.HAPPY_MUS 書 式:HAPPY_MUS = filename 機 能:ゲーム終了後のBGMを、設定します。filenameには、ZMUSIC    のZMDファイルを指定して下さい。 初期値:特にありません。ゲーム終了後のBGMの演奏は行いません。 注 意:(*3) * 注意事項 (*1) 起動の時、設定したファイルがカレントディレクトリに無いと、   エラーになります。また、指定されたファイルが、それぞれのデー   タファイルなのかどうかは、基本的にチェックしません。 (*2) RGBの各要素は、","も含めて、一切省略出来ません。   省略したり、異常なカラーコードを設定した場合、初期値を設定   値とみなします。 (*3) ファイル名を指定しない場合や、ZMUSICが常駐されていない場   合は、BGMの演奏は、行いません。また、指定されたファイル   の存在や、ZMDファイルか否かは、一切チェックしません。 ━━━━━━━━━━━━━【表2:環境ファイルの設定項目と書式】 学「なるほど。環境ファイルってのは、自分で作ったデータを指定する ためにあるのか」 マリ「それにしても、ずいぶん、長かったわね」 T「まあ、後でも説明するし。最初は、標準の環境ファイルから、変え たいと思う部分だけかえればいいんだから」 学「ところで、6から14の項目って、データ差し換えに関係あるのか?」 T「6から10までは、データを差し換えた時に、初期値の色じゃ、合わな くなっちゃた時のためのものさ」 マリ「残りの4つは?」 T「13、14は、差し換えたデータが、初期値の座標じゃ、プレートとかか らずれちゃう時のためのもの。で、後は全く関係ない」 マリ「関係ないって、どういうこと?」 T「おまけというか、これが本当の、ゲーム中の環境を設定するものな んだ」 学「12は、キャラクタのスピード変えたいときに使うんだよな」 マリ「11は、どういう時に使うの?」 T「このゲームは、プレート動かす時に、ドラッグしなくちゃならない よね」 学「そうか。この時、0にすれば、ボタンを押しただけで動かせるんだ」 T「あと、64にして、きちんとプレートを動かさなくちゃならなくする ことも出来るね」 マリ「最初は、この2つをいじって、遊ぶのね」 T「そういうこと」 学「しかし、ドラッグしないでプレートを動かしたいという、短気な人 が、ここまで読んでくれたかどうかは、不明だな」 T「人生、思った通りにはならないものだって」 マリ「そういえば、このゲームの作成も、かなり、予定狂ったみたいね」 T「うーん・・・、不快なぁ。いや、深いなぁ」 ━ 2.データ差し換えの手順 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ── 2−A.データファイル作成の準備 T「さて、これからは、データ差し換えの方法を順番に説明していこう」 マリ「まずは、準備からね」 T「準備するものは、それぞれのデータの元になるPICフォーマットの画 像データだ。ただし、音楽データは、2−Cを見てね」 学「データっていうと、こいつらか?」   ・ キャラクタデータ(男の子と女の子のスプライトデータ)   ・ プレートデータ(プレートの絵柄)   ・ BG用文字データとそのパレットデータ   ・ マウスカーソルのパターンデータ T「そう。ここでは、どのような画像データを用意すればいいのかを、 説明するね。で、まず、共通事項から」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ・65536(32768)色のPICフォーマットの画像データにして下さい。 ・なるべく、透明も含めて、16色以内の色のみ(キャラクタデータの 場合は、各キャラにつき、16色づつ)で、描画したものにして下さい。 (16色を越えた場合、その色は、透明と見なされます) ━━━━━━━━━【表3:画像データのフォーマット(共通事項)】 マリ「これって、16色しか使えないの?」 T「スプライトデータとかに使うからね。でも、画像データは、65536 色にしてね」 学「使った色が、16のパレットに収められるんだね」 T「うん。書いた通りの色で表示される。BG用文字データは例外だけ どね。じゃあ、次は、それぞれの書き方を説明しよう」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   0   16  32  48  64  80  96  112 127 0┏━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┓  ┃ 1 ┃ 2 ┃ 3 ┃ 4 ┃ 5 ┃ 6 ┃ 7 ┃ 8 ┃ ←キャラA 16┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫  ┃ 9 ┃ 10 ┃ 11 ┃ 12 ┃ 13 ┃ 14 ┃ 15 ┃ 16 ┃ ←キャラB 31┗━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┛    1, 2, 9,10 ・・・ 前(下)向き  5, 6,13,14 ・・・ 右向き    3, 4,11,12 ・・・ 後(上)向き  7, 8,15,16 ・・・ 左向き    ※ 奇数と、偶数のパターンを交互に表示します。 ━━━━━━━【図4:画像データのフォーマット(キャラクタ用)】 T「まずキャラクタ用。図4を見てね」 学「16×16のスプライトデータを16パターン用意すればいいんだよな」 マリ「前後左右のを2パターンづつね」 T「そう。それで、1-8までにはキャラA、残りにキャラBのデータを並 べる。もちろん、共通事項のフォーマットにするんだよ」 学「キャラAと、Bとは、違う16色でいいんだよな」 T「そういうこと。次は、プレート用だ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓     0     64    128    192   255    0┏━━━━┳━━━━┳━━━━┳━━━━┓    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃  A  ┃  B  ┃  C  ┃  D  ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃   63┗━━━━┻━━━━┻━━━━┻━━━━┛    A:プレートの無いマス  C:カーブ(右上と左下)    B:カーブ(左上と右下)  D:十字路 ━━━━━━━━【図5:画像データのフォーマット(プレート用)】 学「一枚のプレートは、64×64なのか」 T「そう。16色以内なら、どんな絵にしてもいいけど、最低限、道筋だ けは分かる様にしておいてね」 マリ「道が分からないと、ゲームにならないものね」 T「あと、この16色の内、1色は、ゲーム画面の端を示す枠の色として 使うから、キープしておいてね」 学「この中で、使っている色で枠を囲む場合は、別に気にしなくていい んだろ」 T「うん。ただし、その色コードが、使っている色の中で、何番目に小 さいのかってのは、後々のために把握しておいてね」 マリ「次は、BG用文字データね」 T「BG用文字って言っても、このゲーム、スプライト画面に文字書い ているんだけどね」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   c!”#$%&’()*+,−./    ※それぞれの   0123456789:;<=>?     文字パターン   @ABCDEFGHIJKLMNO    の大きさは、   PQRSTUVWXYZ[¥]^_    16×16です。   ※ cは、著作権マーク ━━━━━━━━【図6:画像データのフォーマット(BG用文字)】 T「BG用文字データは、図6の様に、並べていく」 学「各パターンの大きさが、16×16で、横に16個、縦に4つあるんだか ら、全部で、256×64の大きさになるな」 マリ「でもさ、このゲームで、"#"とか"$"とかいう文字出てきた?」 T「確かに、全部の文字は出てこないけど。まあ、一般的にってことで」 学「文字の色って、このゲームじゃ、何パターンかあったよな。画像デー タでは、どういう色にすればいいんだ?」 T「このデータは、色コード自体は、関係無くて、色の違いだけが問題 になるんだ。パレットデータは、別に用意する」 マリ「じゃあ、パレットデータはどうやって作るの?」 T「それはあとまわし。取敢えず、今は、分かりやすいように、白黒16 段階の色でも使って、パターンを書いといてね」 学「残りは、マウスカーソルだな」 マリ「あれ?今度は図が無いのね」 T「単純だからね。これは、ただ、16×16の画像を書けばいい」 マリ「これも、表示する色と同じ色で書くのね」 T「そういうこと。簡単だろ」 学「でも、16×16の画像ってことは、それ以上の大きさのマウスカーソ ルには出来ないって事か?」 T「実はそうなんだ。スプライト使ってるから、大きいと面倒なんだ」 学「大きいカーソルが出来ないと、つまらないな」 T「まあ、そんなこと言わずに、小さくても、それなりのは書けるから」 マリ「これで、全部の画像データが揃ったのね」 学「でも、これらのデータ全部作るのは大変だな」 T「変えたいと思うのだけ、少しずつ変えていけばいいんだよ。何も、 全部変えなくちゃいけないなんて事はないんだから」 マリ「で、用意が出来たら、次は何をやるの?」 T「次は、ツールを使って、これらを、ゲームで使うデータファイルに 変換するんだ」 ━─ 2−B.データファイルの作成 T「と、いうことで、「MOI_MKDT.X」なる、手抜きなツールが出てくる」 学「自分で、『手抜き』だなんて、言うか?普通」 T「だって、本当なんだもの」 マリ「お客様に出す以上、善し悪しは別として、自分でも最高の出来栄え だって思えるものを出さなくちゃいけないんじゃないの?」 T「ま、それは置いといて。取敢えず、使えるんだからいいじゃない」 学「ああ、いいよ。で、どうやって使うんだ?」 T「2−Aで用意した画像を、MOI_MKDT.Xのあるディレクトリに置いて、 コマンドラインから、以下のように打ち込む」  MOI_MKDT /C <キャラクタの画像データ> <出力ファイル名>  MOI_MKDT /P <プレートの画像データ> <出力ファイル名>  MOI_MKDT /B <BG用文字の画像データ> <出力ファイル名>  MOI_MKDT /M <マウスカーソルの画像データ> <出力ファイル名> マリ「4回実行するのね」 T「必要無いものは実行しなくていいよ」 学「これは、2番目のパラメータに書いたファイル名のデータを3番目 のパラメータのファイル名で、出力するんだね」 T「1番目のは、どのデータを変換するかを知らせる、スイッチね。あ と、3番目を省略すると、デフォルトのファイル名になるよ」 マリ「これで、音楽以外のデータは出来上がったというわけね」 T「いや、あと、文字のパレットデータを作らないといけない」 学「これは、BG用文字データを変える時だけでいいんだよな」 T「パターンを変えなくても、色だけ変えたい時も含めてね」 マリ「他のデータファイルには、パレットファイルは必要ないの?」 T「それぞれのファイルに一緒に入っているから、要らないんだ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ・各パレットの色コードには、2バイト(0-65535)を使用します。 ・1ブロックには、パレット0から15まで順番に色コードを収めてい きます。(1ブロックは、32バイトになります) ・パレット0には、透明(0)を入れて下さい。 ・スコア表示用、メッセージ表示用、TAU SOFTWARE表示用の、3つの ブロックが必要で、この順序に並べます。 ・BG用文字データの元になった、画像データの色コードが小さい順 に、パレットが割り当てられています。 ━━━━━━━━【表7:BG用文字パレットデータのフォーマット】 学「つまり、前から順番に、色コードの数字を並べていくんだ」 T「1つの色コードは、2バイトだから、注意してね。ちなみに、全体 の大きさは、96バイトになるよ」 学「パレット0は透明を入れるからいいとして、他のパレットは、元の 画像とどういうふうに、対応しているんだ?」 T「MOI_MKDT.Xではね、画像データの色コードが小さい順に、パレット に収めるようにしてあるんだ」 学「じゃあ、白黒16段階とかだったら、黒い色の方が、パレット番号は、 小さくなるんだ」 T「そういうこと。これを参考に、カラーコードを配置してね」 マリ「で、こういうファイルを作るには、どうしたらいいの?」 T「Cを使えば、すぐ出来るよ。unsigned short int型でファイルに記 録すればいいんだから」 マリ「使えない人は?」(*1) T「・・・、誰かに教わって」 学「なげやりだな」 T「ま、ともかくだ。これで、音楽を除くデータファイルは揃った」 (*1)BASICで無理矢理作っちゃいました。「MOI_PAL.BAS」です。{}の中に、 データを並べて、RUNして下さい。出力ファイルは、「MOI_BGL.PAL」です。 ━─ 2−C.BGM用ファイルの準備 学「次は、BGM用ファイルだな」 T「うん。ゲームに付属してくるやつは、取敢えず、用意したっていう お粗末なものだから、積極的に差し換えてね」 マリ「だから、お客様に、お出しする物は・・・」 T「分かってるけど、才能がないんだからしょうがないだろ」 マリ「善し悪しは別として、自分でも最高の出来栄えだと思えるものを、 出さなくてはいけないわ」 T「はい。それで、BGM用ファイルはねZMDファイルを使うんだ」 学「ZMUSICのやつだね」 T「そう。それで、用意するのは、3つ。ゲーム開始前と、ゲーム中と、 ゲーム終了後(ハッピーエンド)だ」 マリ「全部用意しなくちゃいけないの?」 T「別に全部じゃなくてもいいよ。環境ファイルで指定しないと、BG Mが流れなくなるだけだから」 マリ「それで、ZMDファイルって、どうやって、作るの?」 T「それは、ZMUSICのマニュアルを見てね」 マリ「手抜きね。じゃあさ、ZMUSICのマニュアルがない人は?」 T「・・・、誰かに教わって」 学「さっきと、台詞同じだぜ」 T「ま、ともかく。これで、音楽も含めてデータファイルは全て揃った」 ━─ 2−D.環境ファイルの作成 学「環境ファイルは、1.でやったとおりに書けばいいんだよな」 T「そう。それじゃ次、行こうか」 マリ「前にさ、『後でも説明する』とか言っていなかった?」 学「確かに。422行目で言っているな」 T「・・・、と言っても、あれだけじゃ分かりにくかったかもしれない ので、ここでは、具体的な例を用いて、説明しよう」 マリ「調子いいんだから」 T「まず、以下のファイルが既に、作られていたとする」 NEW_CHR.DAT ・・・ キャラクタ用ファイル NEW_PLT.DAT ・・・ プレート用ファイル NEW_BGL.DAT ・・・ BG用文字ファイル NEW_MSC.DAT ・・・ マウスカーソル用ファイル NEW_BGL.PAL ・・・ BG用文字パレットファイル BEFORE.ZMD ・・・・ ゲーム開始前のBGM MIDDLE.ZMD ・・・・ ゲーム中のBGM AFTER.ZMD ・・・・・ ゲーム終了後のBGM 学「全部じゃなくて、1部だけでもいいんだよな」 T「うん。その場合は、不必要なところは読み飛ばしてね」 学「まずは、データファイルの指定だな」 T「これは、エディタで、次のように書く」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHARA_DAT = NEW_CHR.DAT * キャラクタ用 PLATE_DAT = NEW_PLT.DAT * プレート用 BGLET_DAT = NEW_BGL.DAT * BG用文字データ MSCUR_DAT = NEW_MSC.DAT * マウスカーソル用 BGLET_PAL = NEW_BGL.PAL * BG用文字のパレット TITLE_MUS = BEFORE.ZMD * ゲーム開始前BGM GAMES_MUS = MIDDLE.ZMD * ゲーム中BGM HAPPY_MUS = AFTER.ZMD * ゲーム終了後BGM ━━━━━━━【リスト8:環境ファイル(データファイルの指定)】 学「それぞれの項目に対応するファイル名を書けばいいんだな」 T「そう。それだけ。もちろん必要無いものは書かなくていい」 マリ「あと、他の項目は?」 T「まずは、色を設定する項目だね。これは、前に言ったように、プレー トデータを変えた時、システムの色を合う色にするためのものだ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CURS_PAL1 = 4,31,31 * 移動可能プレートを示す枠(移動時) CURS_PAL2 = 0,16,18 *  同 上  (固定時) RANK_PAL1 = 0, 0, 8 * ランク表示の背景 RANK_PAL2 = 0,28,28 * ランク表示の枠 FRAME_PAL = 15 * プレート表示フィールドの端の枠 ━━━━━━━━【リスト9:環境ファイル(システムの色の指定)】 T「最初の4つは、RGBの各要素で記述する。これは例えばの例だ」 学「他のデータの色と合うように、好きな色にしていいんだよね」 T「そう。それで、後一つがちょっと厄介なんだ」 マリ「何が、厄介なの?」 T「これは、プレートデータのパレット番号で、色を指定しなければな らないんだ」 学「だから、画像データの所で、枠の色にするものの色コードが、何番 目に小さいかを覚えておくようにって、言ったのか」 T「それが、パレット番号に対応するからね。それから、あと、もう一 つ注意しなければならない時は、色コードも指定する時だ」 マリ「確か、このあとに、()でくくって、指定するのよね」 T「この時、プレートの方も、そのパレット番号の色が変わっちゃう」 学「色コードを指定する場合は、使ってないパレットにしないと、おか しくなっちゃうんだね」 T「それさえ気を付ければ、どんな色にしてもいいよ」 学「あと、微調整用とかいうのがあったよな」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHR_ADJST = 0,0 * キャラクタ表示座標調整 MSC_ADJST = 16,16 * マウスカーソルの指し示す位置 ━━━━━━━━━━━━━【リスト10:環境ファイル(微調整用)】 T「微調整用は、この二つ。この値も、例えばの例だからね」 学「CHR_ADJSTは、何となく分かる。キャラクタを、プレートに対して、 ずらして表示するんだろ」 T「キャラクタの真ん中と、道の中央を、合致させるとか、キャラクタ の一番下と合わせるとかいろいろだろうしね」 マリ「一番、しっくりする位置を決めるのね」 T「これは、0,0 の時、道の中央と、キャラクタの真ん中が合致して、 キャラクタを右下にずらしたい時は、正、左上の時は、負の値にする」 学「じゃあ、もう一つは、何なんだ?」 マリ「やっぱり、これも、表示位置をずらすんじゃないの?」 T「結果的にはそうなのかもしれないけど、ちょっと違う。例えばさ、 カーソルが、ある位置を指していたとする」 学「それが、どうしたんだ?」 T「この時、カーソルのどこがその位置にある?」 学「矢印の先。普通だと、カーソルの一番左上だな」 T「ここで、カーソルのパターンを変えて、右下向きの矢印にしたとす る。でも、カーソルの一番左上が、位置を指し示している」 マリ「矢印の後ろが、指している位置になっちゃうわね」 学「あまり気持いいものじゃない、というわけか」 T「だから、この時は、一番右下、つまり、16,16 を設定すれば、矢印 の先が、指し示す位置になってくれる」 学「カーソルの中で、実際に指し示す位置を、設定すればいいんだね」 T「そう。これで、微調整の項目も終わり。で、リスト9と10を8に加 えればいい。あと二つは、好みで加えてね」 マリ「項目の順番は、どうでもいいの?」 T「うん。それは、気にしなくていいよ」 マリ「これで、環境ファイルも、完成ね」 ━─ 2−E.ゲームの起動 T「これで、必要なファイルは、全て揃ったから、ゲームが起動出来る」 学「ゲーム本体を用意して、これまでに作ったファイルを全部、本体と 同じディレクトリに置くんだよな」 T「そうしたら、コマンドラインから、こう打つ」 MOI_MAIN.X <環境ファイル名> <リターンキー> 学「ファイル名には、さっき作った環境ファイルの名前を書くんだよな」 T「拡張子も忘れずにね。あと、準備が整っていなかったりすると、エ ラーが出る。その場合は、もう一度、ファイルを確認してね」 マリ「あれ?エラーだ」 学「パレットデータ、カレントに置いてないんだ」 マリ「今度は、ちゃんと起動したけど、色がいまいちね」 T「そういう場合は、もう一度元に戻って作り直す」 マリ「面倒くさいわね」 T「これが、プログラムの醍醐味なんだよ、うん」 学「違わないか、それは」 T「まあ、ともかく、こうやって、好みのデータを作っていって下さい」 マリ「今度は、いいみたいね」 T「もう、データ作り変えたの?」 学「・・・、環境ファイル書き換えるだけで良かったんだ」 ━ 3.再コンパイル及び、改造について ━━━━━━━━━━━━ T「知ってのとおり、このゲームはフリーだ」 マリ「だから、配布及び、改造は自由なのよね」 T「そう。それで、一応、再コンパイルの方法を書くことにした」 学「TAUは、GCCと、XCver2.1のライブラリを使って、制作したんだよ な」 T「あと、APICLIB.Lと、ZMUSIC.Lが必要。これを用意して、コンパイル をして下さい。MAKEFILEは、GCCので、「MOI_MAKEFILE」です」 学「XCでも、コンパイル出来るのか?」 T「出来るけど、遅くなるから、なるべくGCCでコンパイルしてね」 マリ「で、終わり?」 T「ああ。あ、そうだ。差し換えたデータとか、改造したりしたものを、 フリーにするか否かは、制作者、及び改造者によります」 学「でも、出来るだけ、フリーにしてほしいんだろ」 T「まあ、出来れば、ね」 ━ 4.おわりに ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ T「ちょっと、手際が悪かったかもしれませんが、これで、データ差し 換えの説明は、お終いです」 学「本当に、長くなってしまって、ごめんなさい」 マリ「もし、これを見て、差し換えデータを作ろう!っていう気になって くれた人がいればいいんですけどね」 T「何か、毒があるな、その言い方」 学「そもそも、座談会形式にしたのが間違いだったと思うぞ」 マリ「と、いうことで、次に会うまで、病気とかしないように気を付けて 下さいね」 学「それではまた今度!!」 T「言い訳ぐらい、言わせてくれたって・・・」 19950816 TAU Software & Manabu & Mari ━━ 連絡先は、MOI_MAN0.DOCです。 ━━━━━━━━━━━━━━━ エヲカクノト オンガクヲツクルノガ フトクイナンデス (EOF)